◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇杉並消防防災マガジン【Vol.42(2008.12.1)】◆◇◆◇
〜皆さんこんにちは、杉並消防防災マガジンです〜
杉並消防署 電話番号 03−3393−0119
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◎ 杉並消防署からのお知らせ
冬の生活に、暖房器具は欠かすことのできないものであり、最近、暖房器具も多機能、高機能化され、真冬でも快適な生活を送ることが出来るようになりました。
東京消防庁管内で平成19年中に発生した火災5,800件のうち暖房器具に関連する火災は153件で、全体の2.6%を占めています。主な出火原因は、電気ストーブ等による火災が89件(前年比12件減少)、石油ストーブ等による火災が34件(前年比16件減少)、ガスストーブ等による火災が13件(前年比1件減少)、ハロゲンヒータによる火災が17件(前年比9件減少)となっており、そのほとんどが誤った取扱いによるもので、「電気ストーブのスイッチを入れたまま就寝し、寝返り等の際に布団が接触した。」「電気ストーブの上に干していた洗濯物等の可燃物が落下した。」「石油ストーブを使用中に給油した。」などとなっています。
(1) 暖房器具を出火要因とする火災の発生状況
暖房器具による火災発生状況(グラフ1)をみると電気ストーブが最も多くなっています。
電気を熱源とする暖房器具は、取扱いや維持管理が容易であること、ガスや石油などの燃料を使用しないため空気を汚さない、給油の手間がないなどのクリーンなイメージから、手軽な暖房器具として広く使用されていますが、使用の際には、周囲や上部の可燃物、機器やコードの損傷等への注意が必要です
温風機 6件(3.9%)
グラフ1 平成19年中の主な暖房器具による火災の発生状況
(2) 暖房器具からの火災を防ぐポイント
ア 衣類の乾燥や可燃物の近くで使用しないでください
(ア) ストーブの上で洗濯物を乾燥すると、落下した時、火災となるおそれがあるのでやめましょう。
(イ) カーテンや衣類・布団・ふすまなどのそばでは使用しないようにしましょう。
イ スプレー缶などをストーブ・ファンヒータの上やそばには置かないでください
スプレー缶などをストーブやファンヒータなどの暖房器具の上や近くに放置していると、放射熱や熱伝導で過熱され、缶の内圧が上昇して破裂し、爆発するおそれがあるので絶対にやめましょう。
ウ 寝るときや外出するときには必ず火を消しましょう
(ア) 布団などが接触して火災となる恐れがあるので、寝るときや外出するときは暖房器具等のスイッチを切る習慣を身につけましょう。
(イ) 電気ストーブ・石油ファンヒータは、長期間使用しないときには、誤ってスイッチが入ることを防ぐためにコンセントを抜きましょう。また、収納するときは、電池を抜きましょう。
エ カートリッジタンクの口金は確実に締まったことを確認してからストーブにセットしましょう
(ア) 給油時は必ず消火し、火が消えたことを確かめてから給油しましょう。
(イ) カートリッジタンクへの給油は、石油ストーブとは別の場所・火気のない場所で行いましょう。
(ウ) 火気のないところで一度カートリッジタンクをひっくり返し、カートリッジタンクから灯油が漏れないことを確認してからセットしましょう。また、漏れてしまった油は、よく拭き取りましょう。
火災事例 |
以前から処分に困っていたランタン用のホワイトガソリンを石油ストーブのカートリッジタンクに給油して使用したために、石油ストーブが異常燃焼を起こし、出火した。 |
教訓等 |
この火災は、石油ストーブに灯油ではなく、ランタン用のホワイトガソリンを給油して使用するという、誤った使い方をしたため異常燃焼を起こし、火災に至ったものです。石油ストーブにガソリンなど揮発性の高い油を使用することは、極めて危険な行為です。 器具の取扱説明書に記載している注意事項等をよく読み、誤った取扱いをしないようにすることが重要です。 |
(3)暖房器具の誤給油による火災の防止
師走ともなると何かと慌ただしく、気がつけば新年はもうそこまで、という時の流れの早さに驚かされます。特にこの頃は救急車の出場が一年の中で最も多くなる時期です。事故の発生を未然に防止するために、事故の傾向や注意点を知り、事前に対策をたてておくことが大切です。
(1) 平成19年中の救急出場件数 〜年末年始は救急出場件数が急増します!〜
東京消防庁における、平成19年中の救急出場件数は69万1,549件であり、このうち救急隊により医療機関へ搬送された人は62万3,012人でした。月別の出場件数を見てみると、12月が最も多く、次いで8月、3月に多く救急車が出場しています(グラフ1)。
救急要請が急増する原因としては、以下の4つの要因が冬季に多発するためだと考えられます。
@ 風邪やインフルエンザなどの冬季に流行する病気の発生
A 忘年会、新年会などにおける急性アルコール中毒
B 餅を喉につまらせたことによる窒息事故
C 入浴中の事故
(2) 飲酒による事故をなくしましょう
平成19年中の年齢別に見る急性アルコール中毒の救急搬送人員は次のとおりです。(グラフ2)
特に20歳代から30歳代に搬送人員が集中しています。
グループで飲酒する場合は、一緒に飲んでいる周囲の方も節度ある飲酒について注意を払うことが大切です。また、20歳未満の若年層にも少なからず発生しているため、保護者や指導者がルールを守るように指導することも必要です。
@ 自分の適量を知り、その日の体調にも注意しましょう。 A 短時間のうちに多量の飲酒(一気飲み)はしないようにしましょう。 B 飲酒の無理強いはしないようにしましょう。 C 空腹のときは飲酒しないようにしましょう。 D アルコールは、薬物であることを知っておきましょう。 E 周囲の人は、酔った人に付き添って一人にしないようにしましょう。 F 酔った人が吐いた場合、のどに詰まらないように注意してあげましょう。
(3) 入浴による事故を防ぎましょう
(4) 餅や食べ物による窒息をなくしましょう
食べ物による窒息は一年を通してありますが、のどに詰まらせる食べ物の種類は、硬いものから軟らかいものまで様々です。
特に餅による窒息は、年末年始に多く発生する傾向があります。正月に餅料理を食べる食文化があるため、この時期は多くの高齢者が餅をのどに詰まらせ、窒息するといった事故が毎年後を絶ちません。
平成19年12月26日から平成20年1月3日の餅による窒息事故の発生状況及び年代別搬送人員は、次のとおりです(表6、7)。
■表6 餅による事故の搬送状況
程度別 |
死 亡 |
重 篤 |
重 症 |
中等症 |
軽 症 |
合 計 |
計 |
2 |
5 |
0 |
5 |
4 |
16 |
■表7 餅による事故の年代別搬送人員
年代別 |
20代 |
50代 |
60代 |
70代 |
80代 |
90代 以上 |
合 計 |
計 |
2 |
2 |
2 |
3 |
6 |
1 |
16 |
わずか9日間で16人の方が餅をのどに詰まらせて救急車で搬送されており、そのほとんどが高齢者でした。
高齢者は噛む力や飲み込む力が弱く、また、詰まりかけた時に咳をする反応も弱いため、事故が発生しやすい傾向があります。
さらに、餅ばかりでなく肉、コンニャク、りんごなど様々な食べ物による同種の事故が一年を通して発生しており、死亡事故につながるケースもあり注意が必要です。
(5) 救急車の適正な利用について
救急車は、救急要請場所から最も近い出場可能な救急車が出場しますが、救急出場が増えると、
遠方から救急車が来ることになります。救急車が到着するまでに時間がかかると、「救える命」
が救えなくなる可能性もあります。救急車は、真に緊急性のあるときに利用するものです。また、
救急車は皆さんの共有の財産であり、適正に利用していただくことが大切です。
ア 東京消防庁救急相談センター
急な病気やケガをした場合に、「救急車を呼んだほうがいいのかな?」、 「今すぐ病院に行ったほうがいいのかな?」など迷った際の相談窓口と して、「東京消防庁救急相談センター」を開設しています。 東京消防庁救急相談センターでは、これらの相談に、相談医療チーム (医師、看護師、救急隊経験者等の職員)が、24時間年中無休で対応 しています。
緊急性なし
イ その他の医療機関案内について
医療機関案内については、前記の救急相談センターのほかに、下記の機関でも同様のサービス
を行っています。
○最寄りの消防署や消防分署、消防出張所
○東京消防庁ホームページ
○東京都医療機関案内サービス( 通称:ひまわり 電話番号:03−5272−0303 )
他にも、区市町村によっては、独自に夜間・休日診療体制を実施している区域もあります。区
報・市報又はそのホームページ等でお知らせしていますので、あらかじめ休日診療病院等の所在
地・道順・電話番号などを確認しておきましょう。
災害情報(杉並消防署管内11月30日現在)
火災件数 : 106件(昨年同時期比 −3件)
救急出場件数: 16,072件(昨年同時期比 −1,300件)
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